この記事のポイント

「領収書・通帳のコピーを1枚ずつ手入力」する状態から、AIが仮仕訳を作成し、人は専用の確認画面でチェックするだけの仕組みを構築しました。
- 顧問先から届く領収書・通帳・各種明細の入力が月次業務の大半を占めている
- 科目・税区分の判断がベテラン職員の頭の中にしかない
- 全自動の仕訳ツールは「中身を確認できない」のが不安で導入できない
- 電卓での合計突合など、事務所の確認フローは崩したくない
- TKCなど既存の会計ソフトは変えずに効率化したい
本記事では、税理士法人・会計事務所が、AI(Claude Code)を活用して証憑の読み取りから仮仕訳の作成、確認画面でのチェック、TKC取込CSVの書き出しまでを仕組み化した事例をご紹介します。
導入企業の背景
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 税理士法人・会計事務所 |
| 従業員数 | 約10名(税理士・監査担当・入力担当) |
| 事業内容 | 税務顧問、記帳代行、月次監査、決算・申告 |
| 会計ソフト | TKC系(顧問先によりマネーフォワード クラウド等も併用) |
| 導入サービス | AIDX顧問(部分スコープ・約2ヶ月) |
| 支援範囲 | 証憑読み取り→AI仮仕訳→確認画面→取込CSVの仕組み構築 |
記帳代行の顧問先を多く抱え、毎月大量の領収書・通帳コピー・各種明細が紙やPDFで届きます。入力担当の作業が月次の進行を左右する状態で、AI活用には関心があるものの「仕訳を全自動で登録するのは怖い」という理由で、既存の自動化ツールは見送ってきた事務所です。
導入前の現場課題

記帳代行の現場では、証憑の手入力が月次業務を圧迫し、確認への不安から自動化にも踏み切れない状態が続いていました。
課題1|領収書・通帳を1枚ずつ手入力
顧問先から届く証憑は形式がバラバラです。
- 手書きの領収書、感熱紙のレシート、通帳のコピー
- 売上請求・支払請求・クレカ明細など種類も多岐にわたる
- 日付・金額・取引先を読み取り、1件ずつ会計ソフトに入力
繁忙期には1顧問先で数百枚規模になり、入力だけで月次の大半が終わることもありました。
課題2|科目・税区分の判断がベテラン頼み
同じ支出でも、顧問先ごとに使う科目や補助科目は異なります。
- 「この顧問先はこの店なら会議費」といったルールが担当者の記憶頼み
- 軽減税率8%と10%の区分、インボイスの扱いなど判断項目が多い
- 担当者が不在だと入力が止まり、引き継ぎにも時間がかかる
事務所としてのルールが言語化されておらず、判断の属人化が続いていました。
課題3|全自動ツールは「確認できない」が不安
AI-OCRや自動仕訳ツールは検討済みでしたが、導入には至りませんでした。
- 仕訳がそのまま登録される仕組みは、間違いに気づけないのが怖い
- 証憑の合計金額を電卓で突き合わせる事務所の確認フローと合わない
- 税理士として、最終判断を人が握れない仕組みは採用できない
「自動化はしたい。ただし確認は人がやる」が譲れない条件でした。
AI顧問による解決策

株式会社LOGの伴走支援として、約2ヶ月で証憑読み取りから確認画面、TKC取込CSVの書き出しまでの仕組みを構築します。

仕組み1:過去の仕訳帳から「事務所のナレッジ」をAIが生成
最初に行うのは、ツール導入ではなくナレッジの言語化です。
- 約3ヶ月分の仕訳帳データをAIが分析し、顧問先ごとの科目ルールを抽出
- 減価償却・融資情報など、仕訳の背景となる情報もナレッジ化
- 「この取引先はこの科目」という暗黙知をMarkdownファイルとして文書化
成果:ベテランの頭の中にあった判断基準が、事務所の資産に変わる
仕組み2:証憑をフォルダに入れるだけでAIが仮仕訳を作成
領収書・通帳・各種明細をスキャンし、所定のフォルダに入れるだけです。
- Claude Codeが証憑の画像・PDFを読み取り、日付・金額・取引先を抽出
- 事務所のナレッジを参照して、科目・税区分・内消費税を判定
- 手書きの領収書など判定に自信がない仕訳には「要確認」フラグを付与
成果:1枚ずつの手入力が「スキャンして待つだけ」に変わる
仕組み3:専用の確認画面でチェックし、TKC取込CSVを書き出し
事務所の確認フローに合わせた「仮仕訳エディタ」を専用開発しました。

- 画面の左に仮仕訳一覧、右に証憑画像を並べて1件ずつ照合できる
- 件数・合計金額を自動集計し、電卓での合計突合をそのまま画面上で再現
- 確認が終わったらワンクリックでTKC取込用CSVを書き出し、そのままインポート
成果:人の仕事が「入力」から「確認と判断」に変わる
Before / After 比較
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 証憑の入力 | 1枚ずつ手入力 | スキャンするだけでAIが仮仕訳を作成 |
| 科目・税区分の判断 | ベテラン職員の記憶頼み | ナレッジを参照してAIが判定・根拠も残る |
| 確認作業 | 電卓で合計を突合 | 確認画面が件数・合計を自動集計 |
| 会計ソフトへの登録 | 1件ずつ手入力 | TKC取込CSVを書き出してインポート |
| 判断基準の共有 | 属人化・引き継ぎに時間 | Markdownのナレッジとして誰でも参照可能 |
なぜ株式会社LOGを選んだのか
自動仕訳ツールを比較検討してきた事務所が、株式会社LOGの伴走支援を選定しました。
1. 「人の確認フローを残す」設計思想
全自動で登録する仕組みではなく、AIはあくまで仮仕訳まで。最終確認は必ず人が行う前提で設計するため、税理士として品質責任を持てる形で自動化できます。
2. 確認画面まで一緒に作れる開発力
既製ツールの画面に業務を合わせるのではなく、事務所の確認フロー(証憑との照合・合計突合)に合わせた専用画面をClaude Codeで開発。「ツールに合わせて業務を変える」必要がありません。
3. TKC・マネーフォワード・freeeを問わない対応
取込CSVの形式やソフトごとの癖を踏まえて構築するため、既存の会計ソフトを変えずに導入できます。複数ソフトを併用する事務所でも1つの仕組みで対応可能です。
4. 仕訳ナレッジの設計ノウハウ
過去仕訳帳からのナレッジ生成と、運用しながらナレッジを改善していく仕組みまで含めて設計。使うほど事務所の判断基準に近づいていきます。
5. 部分スコープの柔軟な契約
「証憑入力の効率化だけ」という限定スコープで、約2ヶ月の短期集中契約からスタート。小さく始めて、効果を確認してから広げられます。
導入の価値・本質
この事例の本質は「入力作業の削減」だけではありません。
1つ目は、判断基準の資産化です。ベテランの頭の中にあった科目ルールがナレッジとして言語化されるため、属人化が解消され、新人の育成や引き継ぎにもそのまま使えます。
2つ目は、人の時間の使い道が変わることです。入力に使っていた時間を月次監査や顧問先への助言に振り向けられます。記帳の下流業務がAIに置き換わっていく中で、事務所の価値の源泉を「入力の速さ」から「判断と対話」へ移す土台になります。
さらに、確認済みの仕訳データはBIダッシュボードにも読み込めます。科目別・月別の増減や予算対比を見える化し、月次打ち合わせで経営の話をするための土台として活用できます。

こんな課題をお持ちの方へ
本事例の事務所と同じように、以下のような課題を感じていませんか?
- 領収書・通帳・明細の入力が月次業務を圧迫している
- 科目・税区分の判断が特定の職員に依存している
- 全自動の仕訳ツールは「確認できない」のが不安で導入できない
- 事務所の確認フローは崩さずに効率化したい
- TKCなど既存の会計ソフトを変えるつもりはない
株式会社LOGのAIDX顧問は、このような状態から、AIによる仮仕訳と「人は確認だけ」の運用まで伴走支援します。
AIDX顧問でできること:
- 過去仕訳帳からの仕訳ナレッジ生成と改善の仕組みづくり
- Claude Codeによる証憑読み取り→仮仕訳の自動化構築
- 事務所の確認フローに合わせた専用確認画面の開発
- TKC・マネーフォワード・freeeなど会計ソフト別の取込設計
このような方は、まずは無料相談をご利用ください。貴事務所の状況をヒアリングし、最適なプランをご提案します。
また、職員の方自身がAIを使いこなせるようになりたいという事務所には、スパルタAIDX研修もご用意しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. TKC以外の会計ソフトでも対応できますか?
対応できます。マネーフォワード クラウド、freee、弥生会計など、CSV取込または画面操作・APIで扱えるソフトであれば同様の仕組みを構築可能です。
Q2. 手書きの領収書や感熱紙のレシートも読み取れますか?
読み取れます。AIが画像から日付・金額・取引先を抽出し、判定に自信がない場合は「要確認」フラグを付けて人の確認に回すため、読み取りミスがそのまま仕訳になることはありません。
Q3. AIの仕訳の精度はどのくらいですか?
導入初期はナレッジの整備期間を設け、確認画面でのレビュー結果をナレッジに反映していきます。事務所のルールが蓄積されるほど、修正が必要な仕訳は減っていく設計です。
Q4. 事務所ごとの確認フローに合わせられますか?
合わせられます。確認画面は専用開発のため、合計突合の方法や要確認の条件、チェックの深さなど、事務所の運用に合わせて調整します。
Q5. 顧問先のデータの扱いは安全ですか?
証憑データは事務所管理のフォルダ(ローカルまたはGoogle Drive等)で処理し、データの保管場所や処理の範囲は事前に取り決めた上で構築します。
Q6. 職員がAIに詳しくなくても運用できますか?
運用できます。日常の操作は「スキャンしてフォルダに入れる」「確認画面でチェックする」の2つだけです。仕組みの調整が必要な部分はLOGが伴走します。
Q7. どのくらいの期間・費用で導入できますか?
本事例では、仕組みの構築に約1ヶ月、精度確認・チューニングを含めて約2ヶ月のスコープです。費用は対象業務の範囲により変わるため、無料相談でお見積もりします。
まとめ|自動化しても、最終確認は人が握る
領収書・通帳の入力は、会計事務所に共通する「量が多く、判断も要る」業務の代表です。
このような課題を抱える事務所が本当に求めるのは、
- 入力そのものはAIが肩代わりすること
- 事務所の確認フローを崩さない、税理士業務として正しい自動化
- 科目判断のナレッジが事務所の資産として残ること
本事例の税理士法人は、Claude Codeによる仮仕訳の自動作成と専用確認画面の組み合わせで、人の仕事を「入力」から「確認と判断」に変える取り組みを開始しました。
全自動が不安で止まっていた事務所こそ、「AIは仮仕訳まで、確認は人」という設計から始められます。まずは一番量の多い業務からご相談ください。